▼朝日山地の山上湖
大鳥池は、山形・新潟県境の朝日山地、以東岳の北のふもとにある湖である。水面の標高は966メートル、面積は約0.4平方キロメートル、最大水深は68メートルで、川がせき止められてできた堰止湖とされ、まわりをブナ林に囲まれている。
伝承では奈良時代の736年に行基が見つけたとされる。長く人の入りにくい場所で、学術的な調査が行われたのは1926年になってからだった。
▼「滝太郎」の言い伝え
大鳥池には江戸時代から「滝太郎」「竹太郎」と呼ばれる怪魚の言い伝えがあった。捕らえると雲を呼び、嵐を起こし、田畑に害をなすと恐れられていたという。言い伝えの中では、体長は2.1〜3メートルとされる。
1982年7月19日、登山者4人が標高約1250メートルの地点から池を見下ろし、約2メートルの巨大な魚を目撃した。この報告がきっかけとなり、同年9月には当時の朝日村が初めての科学的な調査を行った。
▼調査団が捕らえた魚
1983年から1985年にかけて、大鳥池調査団による大がかりな調査が行われた。1985年10月27日には体長70センチ、体重5.6キロの魚が捕らえられ、イワナの仲間(アメマス系のニッコウイワナ、オショロコマに近いアメマス)と鑑定された。
その後も2001年に72センチの魚が釣り上げられ、2014年9月の調査では水深20〜50メートルに魚影が探知されている。2メートル級の魚そのものは、まだ捕らえられていない。
正体をめぐる諸説
- 壱
大型イワナ説(有力)
捕らえられた魚がイワナの仲間と鑑定されたことから、深い湖で長く生きて大きく育ったイワナだとする見方。
- 弐
ヒメマス・イトウなど別種説
ヒメマスやイトウ、ソウギョなど、イワナ以外の大型の魚が正体だとする説。
- 参
未知の古代魚説
山上湖に取り残された、まだ知られていない古代魚の生き残りだとする説。
