▼「虎毛のオオヤマネコ」
西表島では以前から野生のネコがいることが知られ、「ヤママヤー」「ヤマピカリャー」などと呼ばれてきた。ヤマピカリャーは「山で光るもの」「目がぴかっと光るもの」を意味するとされる。
1965年、作家の戸川幸夫は地元の猟師から、虎毛のオオヤマネコを殺したという話を聞いた。猟師によれば、肩の高さは大人の膝ほど、尾は約60センチメートル、全長は飼い猫の2倍ほどだったという。この調査がきっかけとなってイリオモテヤマネコが見つかり、1967年に今泉吉典が新種として発表した。
▼その後も続く目撃談
1982年の読売新聞は、長年イノシシ猟をしてきた猟師がテドウ山にかけての山中で10回にわたってそれらしい動物を見て、そのうち1回は捕らえて食べたと伝えた。子連れのヤマピカリャーを見たという話も寄せられたという。
2007年には、島根大学の秋吉英雄教授が島の西部の崎山半島で、イリオモテヤマネコより大きく、尾が長く斑紋のある動物を見たと報告している。一方で、毛皮や骨などの証拠は見つかっていない。
正体をめぐる諸説
- 壱
イリオモテヤマネコ誤認説
夜の山で見たイリオモテヤマネコや野生化した猫の大きさを、実際より大きく見積もったとする説。今泉は、猟師の持っていた頭骨が飼い猫のものだったと指摘している。
- 弐
ウンピョウ説
台湾などに棲んでいた中型のネコ科動物ウンピョウの仲間が、島に生き残っているとする説。
- 参
未知の大型ネコ説
イリオモテヤマネコとは別の、まだ知られていない大型のネコ科動物が島の奥地に棲むとする説。
