▼岩盤から彫り出された巨像
大スフィンクスは全長約73メートル、高さ約20メートル。石を積み上げたのではなく、台地の石灰岩の岩盤をそのまま彫り残して造られている。エジプト学では、第4王朝のカフラー王の時代、紀元前2500年ごろに造られたとする説が一般的だ。
その後、像は何度も砂に埋もれた。前足の間に立つ「夢の碑文」には、のちのトトメス4世が、砂を取り除けば王にしてやるという夢のお告げを受けたと刻まれている。
▼雨が刻んだ浸食の跡
1990年代、地質学者ロバート・ショックは、スフィンクスを囲む壁に残る縦の溝を、長い年月の降雨による浸食だと主張した。エジプトが雨の多い気候だったのはずっと昔であり、像はもっと古い時代に造られたのではないか──という問いを投げかけたのである。
作家グラハム・ハンコックらはさらに踏み込み、春分の日の夜明けに獅子座が東の空に昇った紀元前1万500年ごろこそが建造の時代だと唱えた。これは学界では受け入れられていないが、失われた超古代文明の存在を信じる人々を強く惹きつけている。
▼眠れる予言者の「記録の間」
20世紀前半のアメリカの霊能者エドガー・ケイシーは、スフィンクスの近くの地下に、失われたアトランティスの記録を収めた「記録の間」があると予言した。像の周辺では地下の空洞をめぐる調査がたびたび話題となり、秘密の部屋への期待はいまも消えていない。
正体をめぐる諸説
- 壱
カフラー王建造説(通説)
第4王朝のカフラー王が自らのピラミッドとともに造らせたとする、エジプト学の主流の説。
- 弐
降雨浸食・古代建造説
壁の浸食痕から、通説より数千年古い時代に造られたとする地質学からの異説。
- 参
超古代文明説
紀元前1万500年ごろ、アトランティスのような失われた文明が造ったとする説。
