超常アトラス
ムー大陸のイメージNo.15
古代超古代文明

ムー大陸

太平洋に沈んだ人類の母国

1万2千年前、太平洋に一夜で沈んだ超大陸! 謎の粘土板が語る「人類の母国」の栄光と滅亡

かつて太平洋の真ん中に、巨大な大陸があった。そこには高度な文明が栄え、太陽の化身である王が人々を治めていた。ところがある日、大陸は火と水に呑まれ、一夜にして海の底へ消えた──。

現場
太平洋中央部(チャーチワードが唱えた位置)
初出
約1万2000年前(チャーチワードの説)
怪奇度
★★★★★

▼チャーチワードの「人類の母国」

ムー大陸の物語を世に広めたのは、イギリス生まれの作家ジェームズ・チャーチワードである。1926年の著書『失われたムー大陸』で、彼は太平洋にかつて東西約7000キロ、南北約5000キロの大陸があり、6000万を超える人々が暮らしていたと唱えた。

その大陸の帝王は「ラ・ムー」と呼ばれ、太陽神の化身として崇められていたという。ムーこそ人類文明の母国であり、各地の古代文明はその植民地から生まれたというのが、チャーチワードの主張だった。

▼幻のナーカル碑文

チャーチワードは、若いころインドの寺院で高僧と親しくなり、古代の文字で記された「ナーカル碑文」の読み方を教わったと語っている。また、メキシコで技師ウィリアム・ニーヴンが見つけた石板も、ムーの存在を裏づけるものだとした。

しかし、ナーカル碑文を実際に見た者は誰もいない。「ムー」という名も、19世紀の考古学者オーギュスト・ル・プロンジョンがマヤの文書を独自に読み解いて生んだ「ムーの女王」の物語に由来するとされ、その解読もいまでは誤りとされている。

▼海の底が語る真実

現代の地質学は、ムー大陸の存在に否定的である。太平洋中央部の海底は玄武岩でできた海洋地殻で、大陸をつくる花崗岩質の地殻は見つかっていない。プレートの動きから見ても、大陸がわずか一夜で沈むことはありえない。

それでも、ムーの名は人々の心から消えなかった。日本でも1930年代から紹介され、1979年には学習研究社からその名を冠したオカルト雑誌『ムー』が創刊されている。

正体をめぐる諸説

  • 壱

    創作説(通説)

    ムー大陸はル・プロンジョンの誤った解読とチャーチワードの創作から生まれた物語であり、実在しないとする見方。

  • 弐

    人類の母国説

    太平洋に高度な文明を持つ大陸があり、世界の古代文明はその植民地から生まれたとするチャーチワードの説。

  • 参

    太平洋の島々=名残説

    ハワイやイースター島などの島々は沈んだ大陸の山頂であり、与那国の海底地形などもその遺跡だとする説。