超常アトラス
印旛沼の怪獣のイメージNo.115
UMAUMA(未確認生物)

印旛沼の怪獣

印旛沼堀割筋出現怪獣

嵐とともに水中から現れ、役人13人を一瞬で殺した! 幕府の工事現場で起きた怪獣事件

天保14年(1843年)、江戸幕府が印旛沼の水を江戸湾へ流す堀割工事を進めていたさなか、沼から黒く巨大な怪獣が現れたと記録された。雷のような音とともに役人たちが即死したという、日本の幻獣のなかでも際立って凶悪な話である。

現場
千葉県 印旛沼(天保の堀割工事の現場)
初出
1843年
怪奇度
★★★★★

▼工事役人の報告書

老中・水野忠邦の天保の改革の一環として、1843年に印旛沼から江戸湾へ水を流す掘割の開削工事が始まった。怪獣の話は、天保14年9月2日(1843年9月25日)付で当時の工事役人が出した報告書として残っている。

記録によれば、弁天山の近くの底なし沼から濁った水が噴き出し、普請を担当していた秋月藩の役人が見回っていたところ、急に暴風雨となって水中から怪獣が現れた。体長は1丈6尺(約4.8メートル)、全身が黒く、鼻の低い猿のような顔で、1尺(約30センチメートル)もある爪をもっていたという。

▼雷のような音と13人の死

怪獣はしばらく大きな岩に腰かけていたが、突然雷のような音を立てると、見張っていた役人13人(またはそれ以上)がその場で死に、助かった者も重い病にかかったと伝えられる。その後の行方は分からない。

八千代市立郷土博物館は2020年の展示でこの怪獣の立体模型を作った。同館の解説は、被害者の一人が担当した区域が弁天山から5キロメートルほど離れていることから、事件の現場を厳密に特定するのは難しいとしている。

正体をめぐる諸説

  • 壱

    工事への風刺説

    役人が大勢死ぬ筋立てから、幕府の無理な干拓工事への批判や皮肉を込めて、地元の人々が作った話ではないかとする見方(山口敏太郎)。

  • 弐

    沼の主の出現説

    沼を掘り割られて怒った沼の主が姿を現したとする、伝承そのものの見方。

  • 参

    未知の大型動物説

    沼に棲む未知の大型動物が、工事で住みかを荒らされて現れたとする説。