▼最後のニホンオオカミ
ニホンオオカミは本州・四国・九州にいたオオカミの亜種である。1905年1月23日、奈良県の鷲家口(現在の東吉野村)で捕らえられた若いオスが、確実な最後の生息記録とされ、その標本は今も残っている。
秩父の三峯神社をはじめ、関東の山あいにはオオカミを神の使いとして祀る狼信仰が根づいていた。2002年には、秩父市の秩父宮記念三峯山博物館でニホンオオカミの毛皮2点が相次いで見つかっている。
▼林道で撮られた一枚
1996年10月14日の午後4時ごろ、ニホンオオカミの生存を信じて秩父の山を調べていた八木博さんが、山中の林道でイヌ科の動物に出会い、写真を撮った。
写真を見た動物学者の今泉吉典は、耳が短いこと、前脚が短いこと、毛色の模様などをオランダのライデンに残るニホンオオカミの標本と比べ、12の点からニホンオオカミの可能性があるとの見解を示したという。一方で野犬だとみる専門家もおり、結論は出ていない。八木さんはその後NPO法人「ニホンオオカミを探す会」を立ち上げ、定点カメラによる調査を続けている。
正体をめぐる諸説
- 壱
野犬説
山に放たれた犬や、その子孫の野犬を撮ったものとする見方。
- 弐
ニホンオオカミ生存説
耳や脚の形などが標本とよく合い、絶滅したはずのニホンオオカミが秩父の山奥で生き延びていたとする説。
- 参
交雑個体説
オオカミと犬の血が混じった個体の子孫ではないかとする説。
