▼ハレーの空洞地球
ハレー彗星で知られるイギリスの天文学者エドモンド・ハレーは、1692年にロンドンの王立協会で、地球は厚さ約800キロメートルの殻と、その内側の2つの同心の殻、中心の核からできており、それぞれに大気があるという仮説を発表した。
▼シムズの穴
1818年4月10日、アメリカの陸軍軍人ジョン・クリーブス・シムズ・ジュニアはセントルイスで「回状第1号」を出し、「地球は空洞で、内部に人が住める」「両極は開いている」と宣言した。彼の説では、両極に直径約2300キロメートルの開口部があるとされた。
シムズは1820年からシンシナティ周辺で講演を行い、両極を切り取った木の地球儀で説明した。1829年5月28日にオハイオ州ハミルトンで亡くなり、息子のアメリカスが、穴のあいた球をのせた記念碑を建てた。記念碑は今もハミルトンのシムズ公園に残る。
▼小説と信仰、そして科学
1864年のジュール・ヴェルヌ『地底旅行』は、先史時代の生き物が生きる地下世界を描き、空洞地球のイメージを大衆に広めた。1869年にはサイラス・ティードが、人類は空洞の地球の内側に住んでいるとする説を唱え、フロリダ州エステロに共同体を作った。
現在では、地球の密度の測定や地震波の伝わり方から、地球の内部は岩石のマントルと、液体と固体の鉄・ニッケルの核でできていることが分かっており、空洞説ははっきり否定されている。
正体をめぐる諸説
- 壱
地震波による否定(事実)
地震波の伝わり方と地球の密度から、内部は岩石と金属の核で満たされており、空洞は存在しないとする科学の結論。
- 弐
極地の入口説
北極と南極に地底世界への巨大な入口があるとする、シムズ以来の説。
- 参
地底文明説
空洞の内部には太陽があり、高度な文明や未知の生き物がいるとする説。アガルタ伝説などと結びついている。
