超常アトラス
バグダッド電池のイメージNo.161
古代超古代文明

バグダッド電池

パルティアの電池

2000年前の素焼きの壺から電気が!? 銅の筒と鉄の棒を封じた「古代の電池」の謎

1936年、イラクのバグダッド近郊で、素焼きの壺の中に銅の筒と鉄の棒をアスファルトで固定した奇妙な遺物が見つかった。博物館の研究者が「電池ではないか」と唱えたことから、古代の電気技術を示すオーパーツとして知られるようになった。

現場
イラク バグダッド イラク博物館(研究・保管された場所)
初出
1930年
怪奇度
★★★★★

▼壺の中の銅と鉄

遺物は1936年、バグダッド近郊のフジュト・ラブで見つかった。近くには、パルティア(紀元前150年〜紀元223年)とサーサーン朝(224〜650年)の都クテシフォンがあり、壺はそのどちらかの時代のものと考えられている。

素焼きの壺の中に銅の筒が入り、その中に鉄の棒が差し込まれ、瀝青(アスファルト)で固められていた。イラク博物館の研究室長だったオーストリアの考古学者ヴィルヘルム・ケーニヒは、これを電池として働く「ガルバニ電池」と考え、電気めっきや電気治療に使われたのではないかと唱えた。

▼再現すれば電気は起きる

壺に酸性の液を入れれば、銅と鉄の間に電気が生じることは確かである。2005年、アメリカのテレビ番組『怪しい伝説(MythBusters)』は10個の複製を作り、レモン汁を入れて合わせて4ボルトあまりの電圧を得た。

しかし、壺どうしをつないだ導線や、この時代に電気でめっきされた品は一つも見つかっていない。考古学者エリザベス・ストーンは、これを電池だと信じる考古学者を一人も知らないと述べている。

▼巻物入れか、まじないの器か

同じような壺は以前にも見つかっていた。1930年にはセレウキアでサーサーン朝の4つが出土し、そのうち3つは銅の筒の中に、朽ちたパピルスのような繊維の巻物が入っていた。クテシフォンでも6つが見つかっている。

このため、壺は巻物を納める容器や、守りやのろいのまじないを封じた器だったとする見方が有力である。遺物の多くは2003年のイラク戦争の混乱で行方が分からなくなり、クテシフォン出土の一つはニューヨークのメトロポリタン美術館が所蔵している。

正体をめぐる諸説

  • 壱

    巻物・まじないの容器説(有力)

    銅の筒に巻物やまじないの文書を入れて封じた容器だとする見方。似た壺から繊維の巻物が見つかっている。

  • 弐

    めっき用の電池説

    酸性の液を入れて電気を起こし、金属のめっきに使ったとするケーニヒの説。使われた証拠は見つかっていない。

  • 参

    電気治療の道具説

    弱い電気を体に流す治療に使ったとする説。これも裏づけはない。