▼掲示板で生まれた白い巨人
ニンゲンの話は、2002年5月、匿名掲示板「2ちゃんねる」のオカルト板にあった「巨大魚・怪魚」のスレッドへの書き込みから始まった。日本の調査捕鯨船の乗組員が、南極の海で全身真っ白、全長数十メートルの生き物を目撃したという内容である。
南極の海に現れるものは「ニンゲン」、北極の海に現れるものは「ヒトガタ」と呼び分けられる。姿には、人間のように両手両足がそろったもの、五本指の手があって足がひれになったもの、人の上半身がつながったような形のものなどがあるとされる。
▼雑誌が広めた噂
2007年には並木伸一郎の『最強の都市伝説』など、未確認生物の本でニンゲンが紹介された。雑誌『ムー』2007年11月号は、Google Earthの衛星写真にニンゲンが写り込んでいるという記事を載せた。その地点はアフリカ南西部ナミビアの海岸で、白い巨人のようなものが見えるとされたが、写っているものの正体は分かっていない。
『ムー』2008年4月号の記事「南氷洋のUMA ニンゲンの謎」では、空を飛ぶ人型のUMA「フライング・ヒューマノイド」や、日本の海に現れる妖怪「海坊主」と結びつけ、同じ存在ではないかという推測が示された。
▼隠された新種の噂
噂の中には、調査捕鯨の信頼が揺らぐためにヒトガタの情報が隠されている、というものもある。実際、日本の沿岸捕鯨の歴史を記した本には、操業違反が知られないよう新種とみられるクジラの情報を伏せた例が書かれており、こうした話が噂に現実味を与えている。
ただし、ニンゲンの実在を示す証拠は何もない。掲示板の書き込みから育った、ネット時代の都市伝説と考えられている。
正体をめぐる諸説
- 壱
ネット発の創作説(有力)
2002年の掲示板の書き込みから生まれ、雑誌や本で広まった創作だとする見方。
- 弐
海坊主の現代版説
海に現れる巨大な人影という、古くからの海坊主の伝承が形を変えたものとする説。
- 参
未知の海洋生物説
深海や極地の海にまだ知られていない巨大な生き物がいて、それを見誤ったとする説。
