▼ローマの太陽の都
ローマ時代、バールベックは「ヘリオポリス(太陽の都)」と呼ばれた。ジュピター神殿は1世紀半ばに建て始められ、60年ごろに完成したと考えられている。
神殿の遺跡は1984年に世界遺産に登録された。いまもそびえる6本の柱とともに、神殿の巨大な土台が人々を驚かせている。
▼3つの巨石「トリリトン」
神殿の土台に並ぶ3つの石は「トリリトン(三つの石)」と呼ばれる。1つの長さはおよそ19メートル、高さ4.2メートル、厚さ3.6メートルで、重さは750〜800トンと見積もられている。
重機のない時代に、これほどの石をどう運び、どう持ち上げたのか。その方法ははっきりとは分かっておらず、古くから謎とされてきた。
▼採石場に残された「妊婦の石」
神殿からおよそ900メートル離れた採石場には、「妊婦の石」と呼ばれる切り出し途中の石があり、重さはおよそ1000トンと見積もられる。名前は、石を動かす方法を知っていると町の人々をだました妊婦の言い伝えに由来するという。
1990年代には同じ採石場で約1242トンの石が、2014年にはドイツ考古学研究所とレバノン大学のジャニーン・アブドゥル・マシーフらの調査で、長さ19.6メートル、重さ約1650トンともいわれるさらに大きな石が見つかった。
正体をめぐる諸説
- 壱
ローマの土木技術説(有力)
巨石は、てこやろくろ、大勢の人手を使ったローマ時代の技術で切り出し、運んだとする考古学の見方。
- 弐
宇宙船の発着場説
作家ゼカリア・シッチンらが唱えた、巨大な土台は神々(異星人)の宇宙船が離着陸する場所だったとする説。
- 参
巨人の建造説
ローマより前の時代に、巨人や失われた超古代文明が土台を築いていたとするオカルト的な説。
