▼アステカ人が名づけた廃都
太陽のピラミッドは西暦100年ごろまでに完成し、都市は400〜500年ごろに最も栄えたと考えられている。550年ごろには主な建物が荒らされて焼かれ、都市は衰えていった。
「テオティワカン」はナワトル語で「神々が生まれた場所」を意味する。この名は、都市が衰えて何百年もたった後にアステカの人々がつけたもので、本来の名前は伝わっていない。1987年に世界遺産に登録された。
▼羽毛の蛇神殿の地下トンネル
2003年の終わり、大雨のあと羽毛の蛇神殿の前の地面に穴が開き、メキシコ国立人類学歴史研究所(INAH)の考古学者セルジオ・ゴメスらが地下へ続くトンネルを見つけた。発掘は2004年から始まり、遠隔操作のロボットも使って調べが進められた。
トンネルは長さおよそ100メートル、神殿の中心の地下およそ17メートルに達し、西暦200年ごろに封じられたと考えられている。奥からは翡翠や貝殻、黄鉄鉱で覆われた無数の小さな球などが見つかった。
▼地下の水銀
2015年4月、ゴメスはトンネルの奥で大量の液体の水銀を見つけたと発表した。メソアメリカで水銀が見つかった例はごくわずかで、テオティワカンでは初めてだった。
ゴメスは、水銀が地下世界の川や湖を表していたのではないかと考えている。奥に王の墓があるのではないかという期待も語られたが、王墓はまだ確かめられていない。
正体をめぐる諸説
- 壱
地下世界の再現説(有力)
トンネルと水銀は、神話の地下世界を儀式のために作り出したものだとする考古学者の見方。
- 弐
王墓説
トンネルの先に、テオティワカンで初めての王の墓が眠っているのではないかとする説。
- 参
宇宙との交信装置説
ピラミッドの配置や地下の水銀は、宇宙のエネルギーや異星人と関わる装置の一部だったとするオカルト的な説。
