超常アトラス
座敷わらしのイメージNo.49
霊界霊能・異界

座敷わらし

座敷童子・緑風荘の亀麿

見た者には幸運が訪れる!? 火事にも焼け残った祠と、旅館を守る童子の霊

岩手県二戸市の金田一温泉に、座敷わらしが出る宿として知られる旅館「緑風荘」がある。2009年の火災で本館は焼け落ちたが、座敷わらしを祀る中庭の祠だけは残った。宿は7年後に再建され、いまも童子に会いたい人々が訪れる。

現場
岩手県二戸市金田一 金田一温泉 緑風荘
初出
1910年
怪奇度
★★★★★

▼『遠野物語』のザシキワラシ

1910年に刊行された柳田國男の『遠野物語』は、旧家にはザシキワラシという神の住む家が少なくないと記す。多くは12、3歳ほどの童児で、この神が宿る家は富み栄えるという。

同書の第18話では、女の子の姿をした2人のザシキワラシが旧家の山口孫左衛門の家から去っていく。その後まもなく、家の主従20人あまりが茸の毒で一日のうちに亡くなったと語られる。座敷わらしは、福を招くと同時に、去れば家が傾く存在でもあった。

▼緑風荘と亀麿

緑風荘の伝承では、南北朝時代に戦に敗れて金田一へ落ち延びる途中、6歳の亀麿という男の子が病で亡くなった。亀麿は死の床で末代まで家を守ると言い残し、その霊が家の守り神になったという。

座敷わらしが現れるとされるのは「槐(えんじゅ)の間」だ。写真に光の玉が写る、おもちゃがひとりでに動く、廊下で足音がするといった不思議な体験が語られてきた。

▼焼け残った祠と再建

2009年10月4日の夜に起きた火災で、緑風荘の本館は全焼した。焼け跡に残ったのは、座敷わらしを祀る中庭の亀麿神社だけだったという。

宿は2015年10月に再建の工事を始め、2016年5月14日に営業を再開した。亀麿神社の例大祭は毎年9月28日に行われている。

正体をめぐる諸説

  • 壱

    家の守り神説

    座敷わらしは家に宿って繁栄をもたらす神で、去ると家運が傾くとする、東北に伝わる民間信仰そのものの見方。

  • 弐

    子どもの霊説

    幼くして亡くなった子どもの霊が家にとどまり、座敷わらしになったとする説。緑風荘の亀麿の伝承もこの形をとる。

  • 参

    心理・環境説

    古い家のきしみや暗がり、出ると聞いて泊まる人の期待が、足音や気配の体験を生むとする見方。