超常アトラス
八百比丘尼のイメージNo.53
霊界霊能・異界

八百比丘尼

やおびくに・はっぴゃくびくに

人魚の肉を食べた娘は、800年老いなかった! 若狭の洞窟に眠る不老の尼

父が持ち帰った人魚の肉を知らずに食べた娘は、いつまでも若いまま年老いることがなかった。尼となって諸国を巡り、800歳で故郷の若狭に戻って洞窟に入定したという。その洞窟が、福井県小浜市の空印寺に残っている。

現場
福井県小浜市小浜男山 空印寺
初出
654年
怪奇度
★★★★★

▼人魚の肉を食べた娘

伝説の多くでは、娘の父が竜宮などの異界でもてなしを受け、出された人魚の肉を気味悪がって食べずに持ち帰る。それを娘が知らずに食べてしまい、不老長寿の身になったという。

娘はいつまでも17、8歳のような若さを保ち、夫と死に別れることを繰り返した。やがて出家して比丘尼となり、村を出て全国を巡ったと語られる。

▼空印寺の入定洞

旅の果てに若狭へたどり着いた比丘尼は、800歳で洞窟に入って入定したという。その場所は小浜の空印寺と伝えられることが多い。

空印寺は小浜藩主・酒井家の菩提寺として知られる曹洞宗の寺だ。後瀬山のふもとにある洞穴は海食洞で、八百比丘尼の入定の地として今も訪れる人がいる。

▼記録に残る長寿の尼

室町時代の公家の日記『康富記』には、文安6年(1449年)5月26日に200歳の女性が若狭から都へ上ったと記されている。200歳とも800歳ともいわれる比丘尼の上洛は、当時の人々の関心を集めたようだ。

八百比丘尼の伝承は全国28都県、121か所に及ぶとされ、とくに石川・福井・埼玉・岐阜・愛知に多い。各地を巡った比丘尼の足跡として語り継がれてきた。

正体をめぐる諸説

  • 壱

    人魚の肉による不老説

    人魚の肉には不老長寿の力があり、比丘尼は実際に800年を生きたとする伝説そのものの見方。

  • 弐

    語り部の比丘尼説

    各地を巡って物語を語り歩いた尼たちが、自らを八百比丘尼と名乗り、伝承が広まったとする見方。

  • 参

    代替わり説

    同じ名を名乗る尼が代々受け継がれ、一人の不老の尼の話として語られるようになったとする説。