▼赤ペンで囲まれた6文字
電波をとらえたのは1977年8月15日、東部時間の午後10時16分のことだった。数日後、記録の印字を見直していた天文学者ジェリー・R・エーマンは、その強さに驚き、該当する「6EQUJ5」の文字を赤ペンで囲んで「Wow!」と書き込んだ。
6EQUJ5は暗号ではなく、電波の強さの移り変わりを数字と文字で表したものである。電波は望遠鏡が1つの点を見られる72秒のあいだずっと続き、その後二度ととらえられていない。
▼水素の周波数の近くで
電波の周波数は、宇宙に最も多い水素が出す電波(1420メガヘルツ付近)にきわめて近かった。この周波数は、宇宙の知的生命が合図に使うのではないかと考えられてきたため、注目を集めた。
ビッグイヤーは1973年から1995年まで、地球外知的生命の探査(SETI)を続けた。望遠鏡は1998年に取り壊され、跡地は近くのゴルフ場に組み込まれた。
▼近年の再解析
2017年には、2つの彗星が電波の源だとする説が出たが、彗星は当時その方向になく、この周波数の電波も強く出さないとして、多くの天文学者に否定された。
2024年、プエルトリコ大学アレシボ校の惑星居住可能性研究所(PHL)は、星からの強い放射を受けた冷たい水素の雲が一時的に明るく光ったのではないかという説を示した。2025年8月には、アベル・メンデスらが古い観測データを再解析し、周波数や強さ、方角を改めて見積もった論文を出している。
正体をめぐる諸説
- 壱
水素の雲の増光説(有力)
星からの放射を受けた冷たい水素の雲が、一時的に強く光ったとする近年の説。
- 弐
地上や人工衛星の電波説
地球の通信や人工衛星の電波を、たまたまとらえたとする見方。
- 参
地球外知的生命の合図説
いて座の方向にいる知的生命が送った信号だったとする説。
