▼ニューヨークからジェノヴァへ
メアリー・セレスト号は1872年11月7日、1701樽のアルコールを積んでニューヨークを出港し、イタリアのジェノヴァへ向かった。乗っていたのは船長ベンジャミン・S・ブリッグズと妻サラ、幼い娘ソフィア、そして7人の乗組員だった。
航海日誌の最後の書き込みは11月25日の朝8時で、船はアゾレス諸島のサンタマリア島の沖にいた。
▼無人の船
12月4日、デイヴィッド・モアハウス船長のカナダの帆船デイ・グラシア号が、漂うメアリー・セレスト号を見つけた。乗り込んでみると、救命ボートがなくなっており、人の姿はなかった。
日誌から、船は見つかる9〜10日ほど前に捨てられたと考えられた。デイ・グラシア号の乗組員は船をジブラルタルまで運び、そこで救助料をめぐる審理が開かれた。
▼伝説になった謎
1884年、のちにシャーロック・ホームズで知られるアーサー・コナン・ドイルが、この事件をもとにした短編を書いた。作中の「マリー・セレスト」という誤った名前は、その後も広く使われることになった。
船はその後も使われたが、1885年1月、保険金目当てにハイチの沖でわざと座礁させられた。
正体をめぐる諸説
- 壱
積み荷のアルコール説(有力)
樽から漏れたアルコールの気配に爆発を恐れた船長が、一時的にボートへ避難させ、そのまま船とはぐれたとする説。
- 弐
竜巻・海底地震説
海上の竜巻や海底地震で船が激しく揺れ、沈むと思った一同が船を捨てたとする説。
- 参
異次元・怪物説
乗っていた人々が海の怪物に襲われた、あるいは異次元へ消えたとするオカルト的な説。
