超常アトラス
トリノの聖骸布のイメージNo.96
古代超古代文明

トリノの聖骸布

聖骸布(サクラ・シンドーネ)

布に浮かぶ一人の男の姿! 写真のネガが暴いた顔と、炭素年代の答え

イタリア北部トリノの大聖堂には、一人の男の前と後ろの姿がうっすらと写った長い亜麻布が納められている。イエス・キリストを包んだ布として信仰を集めてきたこの「聖骸布」は、いまも科学と信仰の両方から見つめられている。

現場
イタリア ピエモンテ州 トリノ 聖ヨハネ大聖堂
初出
1354年ごろ
怪奇度
★★★★★

▼一枚の亜麻布

聖骸布は長さ約4.4メートル、幅約1.1メートルの亜麻布で、杉綾織りで織られている。布には、裸の男の前面と背面の姿が淡い褐色で浮かんでいる。

記録に初めて現れるのは1354年ごろ、フランスのリレにあった教会で、騎士ジョフロワ・ド・シャルニーのもとで公開された。1389年には、地元の司教が「巧みに描かれたもの」とする覚え書きを残している。

▼ネガに現れた顔

布は15世紀にサヴォイア家のものとなり、1532年にはシャンベリーの火災で焦げ跡を負った。1578年にトリノへ移され、以後この町にある。

1898年5月28日、写真家セコンド・ピアが布を撮影したところ、ネガの上に、肉眼では見えないほどはっきりとした男の顔と体が現れた。この発見から、布は科学的な関心も集めるようになった。

▼炭素年代と、信仰

1988年、オックスフォード、アリゾナ、チューリッヒの3つの研究所が放射性炭素による年代測定を行い、布の年代を西暦1260〜1390年と示した。これは布が記録に初めて現れる時期と重なる。

1983年に旧イタリア国王ウンベルト2世の遺言で教皇に遺贈された布は、いまカトリック教会が管理している。教会は本物かどうかについて公式の判断を示しておらず、多くの信徒にとって祈りの対象であり続けている。

正体をめぐる諸説

  • 壱

    中世に作られた説

    1988年の放射性炭素年代測定の結果から、布は13〜14世紀に作られたとする見方。

  • 弐

    キリストの埋葬布とする信仰

    十字架で亡くなったイエスを包んだ布で、その姿が写し取られたとする受けとめ方。

  • 参

    試料の偏り説

    測定に使った部分が後の修理で補われた布だったため、年代が若く出たとする説。