▼画像加工コンテストから
スレンダーマンは2009年6月10日、アメリカの掲示板サイト「サムシング・オーフル」の画像加工コンテストで生まれた。「ヴィクター・サージ」の名で投稿したエリック・クヌーセンは、子どもたちを写した白黒写真に、黒いスーツ姿の背の高い人影を描き加えて投稿した。
クヌーセンは、動機がほとんど理解できない存在を作りたかったと語っている。スティーヴン・キングの『霧』や、映画『ファンタズム』、「影の人」の目撃談などから着想を得たという。
▼ネットで育った怪人
怪人はたちまち掲示板の外へ広がり、さまざまな作品に描かれるようになった。YouTubeで公開された実録風の連続動画『マーブル・ホーネッツ』は特に人気を集め、2013年には登録者25万人、再生回数5500万回を超えた。
こうして、作者のいる創作でありながら、まるで古くからの伝説のように語られる「ネット時代の民間伝承」となった。
▼ウォキショーの事件
2014年5月31日、ウィスコンシン州ウォキショーで、12歳の少女2人が同級生を19か所刺した。2人はスレンダーマンの「手下」になりたかったと話した。被害者は一命をとりとめた。
2人には2017年12月と2018年2月に、それぞれ長期の精神科施設への収容が言い渡された。同じ2018年には映画『スレンダーマン』が公開されたが、事件を商売に利用していると批判も受けた。
正体をめぐる諸説
- 壱
ネット上の共同創作(事実)
2009年の投稿をもとに、多くの人が物語を書き足して作り上げた創作の怪人であることは、作者自身が明らかにしている。
- 弐
現代の民間伝承説
昔の妖怪や怪談と同じように、人々の語り継ぎで育つ「ネット時代の伝承」の典型とみる見方。
- 参
タルパ(思念体)説
多くの人が信じ込んだことで、怪人が実体をもち始めたとするオカルト的な説。
