▼コマ送りで見つかった「生物」
スカイフィッシュは、長い棒状の体をもち、空中を時速280キロ以上で飛ぶとされた未確認生物である。欧米では「ロッド(棒)」や「フライング・ロッド」と呼ばれる。
映像作家で音楽家のホセ・エスカミーラは、1994年3月19日、アメリカ・ニューメキシコ州ロズウェルでUFOを撮ろうとしていたとき、のちに見返した映像の中に棒状の影を見つけたと語っている。肉眼では見えず、写真や映像にだけ写り、捕まえたという報告がないことから大きな話題になった。
▼ツバメの洞窟
スカイフィッシュの映像で特に有名な撮影地が、メキシコのサン・ルイス・ポトシ州にある「ツバメの洞窟(ソタノ・デ・ラス・ゴロンドリナス)」である。地面に開いた縦穴は、最も低い縁からでも333メートルの垂直な落差があり、知られている中で世界最大の洞窟の縦穴とされる。
体の両側に帯のようなひれがあり、それを波打たせて飛ぶという姿も語られ、生物学者ケン・スワーツは、カンブリア紀の海にいたアノマロカリスの生き残りが進化したものという説まで唱えた。
▼正体は虫の残像
2003年、ロバート・トッド・キャロルは昆虫学者ダグ・ヤネガの協力を得て、ロッドは虫を特定の設定のカメラで撮ったときに生じる像だと結論した。虫の羽ばたきがカメラのコマの速さやシャッターの速さを上回ると、残像(モーションブラー)で体が細長く伸び、ひれのような節が並んで見える。
2005年8月には、中国中央テレビが吉林省通化市の製薬会社で実験を行い、監視カメラに同じ「生物」が写った場所に網を張ったところ、かかったのは蛾などのありふれた虫だけだった。現在では、スカイフィッシュは虫の残像だったと考えられている。
正体をめぐる諸説
- 壱
虫の残像説(定説)
カメラの前を横切った虫の羽ばたきが、モーションブラーで棒のように写ったものとする説。実験で確かめられている。
- 弐
未知の空中生物説
肉眼で追えない速さで空を飛ぶ、未発見の生物だとする説。
- 参
古代生物の生き残り説
カンブリア紀のアノマロカリスの子孫が空に適応したとする説。
