▼聖人と水の獣
ネス湖の怪物の記録は古い。7世紀に書かれた『聖コルンバ伝』には、565年ごろ、修道士コルンバがネス川で人を襲おうとした水の獣を、祈りの力で退けたという話が残されている。
▼1933年、ブームの始まり
1933年、湖の北岸に道路が整備されて見通しがよくなると、湖面を動く巨大な生き物の目撃が新聞に載り、たちまち大きな話題となった。翌1934年には、湖面から首を突き出した怪物をとらえた、いわゆる「外科医の写真」が発表され、ネッシーの姿は世界中に知れ渡った。
しかし1994年、この写真は、おもちゃの潜水艇に首の模型を取り付けて撮った作り物だったと関係者が明かした。
▼湖の水に残るDNA
ソナーによる湖底の探査はたびたび行われてきたが、決定的な証拠は得られていない。2018年には、湖の水に含まれる生き物のDNAを網羅的に調べる調査が行われ、爬虫類のDNAは見つからなかった一方で、ウナギのDNAが大量に検出された。
巨大なウナギがネッシーの正体なのか。それとも、まだ誰も知らない何かが、湖の暗い底で息をひそめているのか。
正体をめぐる諸説
- 壱
首長竜生存説
恐竜時代の首長竜プレシオサウルスの生き残りだとする説。もっとも人気があるが、湖ができたのは氷河期の後であり矛盾も多い。
- 弐
巨大ウナギ説
環境DNA調査でウナギのDNAが多く見つかったことから、異常に大きく育ったウナギではないかとする説。
- 参
誤認説
倒木や波、泳ぐシカや鳥などを見間違えたとする説。
