▼火だこを剥ぐ者
「なまはげ」の名は、冬に囲炉裏にあたってばかりいると手足にできる火だこ(ナモミ)を剥ぐ「ナモミ剥ぎ」から来たとされる。怠けている者を戒めに来る、というわけである。
男鹿では大晦日の夜、主に地元の若い男性がなまはげに扮して家々を回る。「泣ぐ子はいねがー」と声を上げて子どもを震え上がらせる一方、家の主人にもてなされ、無病息災や豊作を約束して帰っていく。
▼記録と信仰
なまはげの様子は、江戸時代の紀行家・菅江真澄が1811年に書き残しており、これが古い記録として知られる。行事の日は、かつては小正月だったが、明治の改暦をへて大晦日に移ったとされる。
なまはげは、男鹿の真山・本山を神の山とする信仰と結びついて語られる。男鹿市の真山神社では、正月の神事「柴灯祭」となまはげを組み合わせた「なまはげ柴灯まつり」が、毎年2月に開かれている。
▼来訪神として世界へ
「男鹿のナマハゲ」は1978年に国の重要無形民俗文化財に指定された。2018年11月29日には、各地の似た行事とともに「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコの無形文化遺産に登録された。
鬼のような姿をしていても、なまはげは鬼ではなく、年の変わり目に山から訪れる神とされる。その素顔を知る人は、村の外にはいない。
正体をめぐる諸説
- 壱
来訪神の民俗説(有力)
年の変わり目に異界から神が訪れ、人々を戒め祝福するという、日本各地に見られる来訪神の信仰の一つとする見方。
- 弐
山の修験者説
男鹿の真山・本山で修行した山伏たちの姿が、山から下りてくる神のイメージになったとする説。
- 参
異国から来た者たち説
海から漂着した異国の人々の姿が、恐ろしい面の神として語り継がれたとする言い伝え。
