▼楽屋での会話
名付け親は、超常現象の研究家フィオナ・ブルームである。本人の記事によれば、2009年、アトランタで開かれる大規模なファンイベント「ドラゴン・コン」の来賓控室で、警備担当者が「ネルソン・マンデラが獄中で死んだのを覚えている人がほかにもいる」と話したのがきっかけだった。
ブルーム自身も同じ記憶を持っていた。2010年8月、彼女はサイトMandelaEffect.comを開き、同じような記憶違いを集め始めた。
▼実際のマンデラと「みんなの記憶違い」
実際のネルソン・マンデラは1990年に釈放され、1994年から1999年まで南アフリカの大統領を務め、2013年12月5日に亡くなった。
ほかにも、絵本『ベレンステイン・ベアーズ』を「ベレンスタイン」と覚えている、ボードゲームのモノポリーのおじさんが片眼鏡をかけていると思っている、映画『スター・ウォーズ』の名台詞を「ルーク、私がお前の父だ」と覚えている(実際は「いや、私がお前の父だ」)など、多くの例が挙げられている。
▼心理学からの説明
2010年のイタリア・ボローニャ駅の時計についての調査では、回答者の92%が「1980年の爆破事件以来、時計は止まったままだ」と誤って記憶していた(実際は1996年から追悼のために止められている)。
2022年には、心理学者のプラサドとベインブリッジが、ロゴやキャラクターの図柄について、多くの人が同じ形で誤って覚えている「視覚のマンデラ効果」を実験で確かめた。研究者は、記憶の思い違いや、人どうしで誤りが強め合うことなどで説明できるとしている。
正体をめぐる諸説
- 壱
記憶の思い違い説(有力)
似た出来事との混同や思い込み、人どうしで誤った記憶を強め合うことで、多くの人が同じ誤りを覚えるとする心理学の説明。
- 弐
図柄の典型化説
ロゴやキャラクターを「ありそうな形」に寄せて覚えてしまうため、同じ記憶違いが大勢に起きるとする見方。
- 参
パラレルワールド説
記憶の方が正しく、人々が別の世界線から移ってきた、あるいは世界が書き換えられた証拠だとするネット上の説。
