▼創世神が降り立った島
久高島は、沖縄本島の南東端の知念岬から東へおよそ5キロメートルの海に浮かぶ、周囲約8キロメートルの細長い島である。琉球の創世神アマミキヨが天から降り、国づくりを始めた地と伝えられ、琉球王国の時代には最高の聖地の一つとされた。
1713年の『琉球国由来記』には、島の伊敷浜に流れ着いた壺の中に五穀の種が入っていたと記され、五穀発祥の地ともされる。王国の聖地・斎場御嶽は、この島から届く霊力を受ける場所と考えられていた。
▼立ち入れぬ御嶽
島の中でも最も神聖な場所が、フボー(クボー)御嶽である。古くから男子禁制の聖地とされてきたが、現在は霊域全体への立ち入りが禁じられている。
島には、時期によって立ち入りが禁じられる聖地がほかにもある。訪れる人には、島の決まりを守り、祈りの場を乱さないことが求められている。
▼途絶えた秘祭イザイホー
イザイホーは、午年の旧暦11月15日から6日間行われてきた秘祭で、30歳から41歳の島の女性たちが儀礼を受けて神女となった。島の女性が神に仕える、久高島の祭祀の中心となる行事である。
最後に行われたのは1978年で、その後は担い手の不足から1990年、2002年、2014年と行われていない。島ではリゾート開発の計画に向き合うなかで、土地を共同で守る「久高島土地憲章」が1988年にまとめられている。
正体をめぐる諸説
- 壱
海の道の拠点説
琉球の島々を結ぶ海の道の要にあった島で、外から来た人々や作物の記憶が、創世神や五穀の伝承になったとする見方。
- 弐
女性祭祀の伝統説(有力)
女性が神に仕える琉球の祭祀の形を、最もよく残してきた島だとする民俗学の見方。
- 参
神々が降りる島説
いまも神々が降り立つ特別な力をもった島だとする信仰。
