▼古木に棲む赤い子ども
キジムナーは、ガジュマルの古木などに棲む木の精とされる。体中が真っ赤な子ども、あるいは赤い髪の子どもの姿で語られることが多く、長い髪で全身が毛だらけだという話もある。
魚が好物で、とくに魚の左目、あるいは両目を好むという。一方でタコやニワトリ、熱い鍋のふた、おならを嫌い、これらを使えば縁を切れると伝えられる。
▼ぶながやの里・大宜味村
大宜味村の喜如嘉は伝承の発祥の地といわれ、精は「ぶながや」と呼ばれる。毎年旧暦8月8日に、決まった家の豚小屋に現れたという言い伝えもある。
村によれば、旧暦8月には喜如嘉や謝名城の周辺で小屋を建て、ぶながやの出現を待つ「アラミ」という行事が戦前まで行われていた。
▼平和と自然を愛する精
大宜味村は1998年7月24日、村制施行90周年の記念事業として「ぶながやの里宣言」を行った。ぶながやと共に生きてきたことを誇りに、自然と共生するむらづくりを掲げたものだ。
村はぶながやを、平和と自然を愛し、戦禍や開発を逃れてこの村の森や川に棲むようになった生き物として紹介している。
正体をめぐる諸説
- 壱
樹木の精霊説
長い年月を生きたガジュマルなどの古木に宿る精霊が、子どもの姿で語られるようになったとする見方。
- 弐
自然への畏れ説
山や森の暗がりで起きる不思議な出来事や、豊漁・不漁の理由を説明するために生まれた存在だとする見方。
- 参
やんばる避難説
大宜味村の紹介のとおり、戦禍や開発に耐えかねた精たちが、豊かな森の残る村へ移り棲んだとする説。
