超常アトラス
イルミナティのイメージNo.129
都市伝説都市伝説

イルミナティ

バイエルン啓明結社

わずか9年で禁じられた大学教授の結社が、なぜ「世界を操る闇の組織」になったのか

1776年、バイエルンのインゴルシュタット大学の教授が、理性と啓蒙を掲げる秘密結社を作った。結社は10年ほどで当局に禁じられたが、その名は「今も生き延びて世界を裏から操っている」という陰謀論の主役として残り続けている。

現場
ドイツ バイエルン州インゴルシュタット(旧インゴルシュタット大学)
初出
1776年
怪奇度
★★★★★

▼大学教授が作った結社

イルミナティは、インゴルシュタット大学の教授アダム・ヴァイスハウプトが1776年5月1日に創設した秘密結社である。はじめは「完全可能論者の同盟」と名乗り、1778年からイルミナティの名を使うようになった。

1780年に加わったアドルフ・クニッゲが位階の仕組みを整え、フリーメイソンの会員などを多く勧誘した。会員数は確かめられるもので約650人、指導者の主張では2500人とされ、実際は1300人前後だったとみられている。

▼禁止と解散

バイエルンの当局は1784年から秘密結社を禁じる勅令を重ねて出した。1785年3月2日の勅令がバイエルンのイルミナティにとって致命傷となり、押収された内部の文書は1787年に公表された。

結社としてのイルミナティは、この時期に活動を終えたとみられている。

▼陰謀論の始まり

1797年から1798年にかけて、フランスのオーギュスタン・バリュエル神父とイギリスのジョン・ロビソンが、イルミナティは地下で生き延び、フランス革命を引き起こしたと主張する本を出した。これらの本は広く読まれ、今に続く陰謀論の源になった。

20世紀にはネスタ・ヘレン・ウェブスターの著作が「世界征服をたくらむイルミナティ」という像を復活させ、以後、陰謀論者が独自の話を加えた本が数多く出ている。こうした主張を裏づける確かな証拠は示されていない。

正体をめぐる諸説

  • 壱

    歴史上の結社説(事実)

    イルミナティは18世紀末のバイエルンに実在した啓蒙主義の結社で、1780年代に禁止されて活動を終えたとする歴史学の見方。

  • 弐

    革命の黒幕説

    禁止後も地下で生き延び、フランス革命を起こしたとするバリュエルやロビソンの主張。根拠は示されていない。

  • 参

    現代の世界支配説

    今も各国の政財界の裏にいて世界を操っているとする現代の陰謀論。裏づける証拠はない。