▼居酒屋で生まれたグランドロッジ
1717年6月24日(聖ヨハネの日)、ロンドンにあった4つのロッジが、セント・ポール大聖堂の境内わきの居酒屋「鵞鳥と焼き網(グース・アンド・グリディロン)」亭に集まり、最初のグランドロッジを作った。初代グランドマスターにはアンソニー・セイヤーが選ばれた。
1723年にはジェームズ・アンダーソン牧師がまとめた『フリーメイソン憲章』が出版された。このグランドロッジは1813年に別のグランドロッジと合同し、現在のイングランド連合グランドロッジとなった。
▼世界に広がる友愛団体
21世紀初めの推計では、世界のフリーメイソンの会員は約200万から600万人以上とされる。イングランド連合グランドロッジは約17万5000人、フランスのグラントリアンは5万人以上の会員を公表している。
一方で、フリーメイソンは18世紀からカトリック教会に非難されてきた。1884年にも教皇レオ13世が回勅『フマヌム・ゲヌス』でフリーメイソンを断罪している。
▼陰謀論とタクシル事件
フリーメイソンには、歴史上の事件の黒幕だとする根拠のない陰謀論が繰り返し向けられ、ときに反ユダヤ主義と結びついてきた。
その典型がタクシル事件である。フランスの作家レオ・タクシルは1884年の回勅の後にカトリックへ改宗したとして、フリーメイソンが悪魔崇拝をしているとする「暴露本」を次々に出した。しかし1897年4月19日、パリの地理学協会で記者会見を開き、それがすべて作り話だったと明かした。
正体をめぐる諸説
- 壱
実在の友愛団体(事実)
フリーメイソンは会員どうしの親睦と慈善を目的とする実在の団体で、組織の成り立ちや規約も公開されているとする見方。
- 弐
歴史の黒幕説
革命や戦争など歴史上の大事件を裏で操ってきたとする陰謀論。裏づける証拠はなく、反ユダヤ主義と結びつくこともあった。
- 参
悪魔崇拝説
秘密の儀式で悪魔を崇拝しているとする説。タクシル自身が作り話だったと告白している。
