▼電離層を調べる施設
HAARP(高周波活性オーロラ調査プログラム)は、アンカレッジの北東約250キロメートル、ガコナの近くにある。アメリカ空軍・海軍、アラスカ大学フェアバンクス校、国防高等研究計画局(DARPA)が共同で資金を出し、1993年に建設が始まった。
施設の目的は、地上から強い電波を上空の電離層に送り、その反応を観測して、電離層の性質や無線通信の改善を研究することである。1999年に最初のアンテナ群で運用を始め、主力の装置「電離層研究装置」は2007年に完成した。
▼気象兵器という疑い
HAARPは、気象を操る、人の心を操るといった陰謀論の的になってきた。1995年にはニック・ベギーチとジーン・マニングが、HAARPを危険な兵器として描いた本『天使はHAARPを奏でない』を出している。
科学者たちはこうした主張を根拠のないものとして退けている。
▼開かれた施設へ
2014年に空軍は施設の閉鎖を発表し、2015年に施設はアラスカ大学フェアバンクス校に引き継がれた。
大学は毎年、一般向けの見学会を開き、誤った情報に答える取り組みを続けている。
正体をめぐる諸説
- 壱
電離層の研究施設(事実)
公開されている目的のとおり、電離層の性質と無線通信を研究する施設だとする見方。
- 弐
気象兵器説
電波で気象を操り、異常気象や地震を引き起こしているとする陰謀論。科学的な根拠はない。
- 参
マインドコントロール説
電波で人の心を操る兵器だとする陰謀論。裏づけはない。
