▼遅れと予算超過から生まれた噂
デンバー国際空港は1995年に開港した。建設は難航し、予算は20億ドル近く超過した。この遅れと巨額の費用、独特の建築が、陰謀論のきっかけになった。
噂では、空港の地下には富裕層のための避難壕、軍の基地、宇宙人やトカゲ人間の住みかに通じるトンネルがあるという。実際の地下トンネルは、チェックインから手荷物受取所へ荷物を運ぶためのものである。
▼礎石と壁画と青い馬
空港の献堂の礎石にはフリーメイソンの紋章と、実在しない団体「新世界空港委員会」の名が刻まれている。空港の広報は、この礎石をフリーメイソンが作ったことは認めたが、空港の運営に関わっているわけではないと説明した。
画家レオ・タングマの壁画は、ナチズムや終末を描いたものだと解釈されてきたが、本人は暴力をなくし自然を取り戻す願いを込めたと語っている。
空港の入口に立つ高さ約10メートルの青い馬の彫刻は、赤く光る目から「ブルーシファー」と呼ばれる。作者ルイス・ヒメネスは2006年、制作中に彫刻の一部が落ちてきて亡くなり、像は2008年に公開された。赤い目は、ネオンサインの店を営んでいた父へのオマージュだという。
▼陰謀論を名物に
陰謀論はインターネットやテレビ番組を通じて広まった。空港はこれを打ち消すのでなく、宣伝に取り入れる道を選んだ。
宇宙人を使った宣伝は大きな収入を生み、2019年には「イルミナティの本部」などと冗談を言うガーゴイルの人形まで置かれた。
正体をめぐる諸説
- 壱
大型事業の失敗が生んだ噂(有力)
建設の遅れ、巨額の予算超過、独特の建築や美術が、根拠のない噂を呼んだとする見方。
- 弐
地下避難壕説
地下に終末に備えたエリートの避難施設があるとする陰謀論。実際のトンネルは手荷物の運搬用である。
- 参
秘密結社の拠点説
礎石の紋章などから、秘密結社が空港を支配しているとする陰謀論。空港は否定している。
