▼ベッドフォード・レベルの実験
1838年、サミュエル・ロウボサムは、湿地帯フェンズを流れるまっすぐな水路オールド・ベッドフォード川で、水面から約20センチの高さの望遠鏡で、約10キロメートル先までボートのマストを見続けた。地球が丸ければ見えなくなるはずだとして、彼は地球は平らだと主張し、1849年に『ゼテティック天文学』を出した。
1870年、博物学者アルフレッド・ラッセル・ウォレスが賭けを受けて同じ場所で実験をやり直した。視線を水面から約4メートルに上げ、途中に目印の棒を立てる工夫で地球の丸みを示し、賭けに勝った。
▼平面説の協会
1893年にはエリザベス・ブラウントが「万国ゼテティック協会」を作り、1904年に同じ水路で、遠くの白い布を水面近くのカメラで写す実験を行った。
1956年にはサミュエル・シェントンがイギリスのドーバーで「国際平面地球研究協会」を作り、後を継いだチャールズ・K・ジョンソンはカリフォルニア州ランカスターに拠点を移して、会員を約3500人に増やした。
▼ネット時代の復活
2004年に平面地球協会がネットの掲示板として再出発し、2014〜2015年ごろからはYouTubeの動画で支持者が急に増えた。2017年11月にはノースカロライナ州ローリーで国際会議が開かれ、500人以上が参加費を払って集まった。
実験で地球が平らに見えるのは、水面近くの空気の温度差で光が曲がる「大気差」によるものと説明されている。地球が丸いことは、測量や人工衛星、宇宙からの観測ではっきり確かめられている。
正体をめぐる諸説
- 壱
大気差による説明(事実)
水面近くでは空気の温度差で光が曲がり、丸い地球でも遠くのものが見えてしまうため、平らに見えたとする説明。
- 弐
SNSの拡散説
動画サイトのおすすめの仕組みや、権威への不信が支持を広げたとする社会学的な見方。
- 参
地球平面説
地球は平らで、宇宙機関の写真は捏造だとする主張。測量や観測の事実と合わない。
