▼首相が語った怪物
アメリカの古生物学者ロイ・チャップマン・アンドリュースは、1926年の著書『On the Trail of Ancient Man』でこの生き物を紹介した。モンゴルの役人たちの集まりで話を聞いたが、誰も実物を見たことはなく、それでも全員が存在を固く信じていたという。
同書は、1922年にモンゴルの首相ダムディンバザルが語った様子を伝える。長さ2フィート(約60センチ)ほどのソーセージのような形で、頭も足もなく、触れただけで即死するほどの毒を持ち、ゴビ砂漠の最も荒れた所に棲むという。
▼砂の下を進む
伝承では、デスワームはふだん砂の下に潜り、地表に砂の波を立てながら進むという。毒を吹きかけたり、電気を放ったりして、離れた獲物を倒すとも語られる。
雨の後に地上へ現れるという話もある。アンドリュース自身は、この生き物の存在を信じていなかった。
▼探検隊の追跡
1990年と1992年には、チェコの探検家イヴァン・マツケルらがゴビ砂漠へ向かった。小説『デューン』の砂虫にならい、地面をたたく装置や小さな爆発で誘い出そうとしたが、見つからなかった。
2005年にはイギリスの未確認動物の研究団体も探索したが、成果はなかった。その後もテレビ番組などが調査を重ねているが、確かな証拠はまだ得られていない。
正体をめぐる諸説
- 壱
スナボア誤認説
ゴビに棲むヘビの一種タタールスナボアを見た人々の話が、伝説の元になったとする見方。地元の人に標本を見せ、同じものだと確かめたという報告もある。
- 弐
ミミズトカゲ説
足のない爬虫類の一群ミミズトカゲの、まだ知られていない種を見たのではないかとする説。
- 参
未知の毒虫実在説
毒や電気で獲物を倒す、未発見の大型の生き物が実際に砂漠に潜んでいるとする説。
