▼マヤの大都市
チチェン・イッツァは、およそ600年から1200年ごろにかけてユカタン半島北部で栄えたマヤの都市である。石灰岩の大地にあいた天然の泉「セノーテ」が、人々の暮らしと祈りを支えた。
神殿や、メソアメリカ最大の球技場、円い天文台「エル・カラコル」などが残り、1988年にユネスコの世界遺産に登録された。2007年には「新・世界七不思議」の一つにも選ばれている。
▼365段の暦のピラミッド
ククルカンとは「羽毛のある蛇」の神の名である。高さ約30メートルのピラミッドは四方に約91段ずつの階段をもち、頂上の神殿を1段と数えると合わせて365段、1年の日数になるともいわれる。
北側の階段の下には、大きく口を開けた蛇の頭の彫刻が置かれている。内部からは1930年代の発掘で古い神殿が見つかり、赤く塗られたジャガーの玉座などが出土した。
▼降りてくる光の蛇
春分と秋分のころの夕方、ピラミッドの段の角が北側の階段に三角形の影を落とし、光と影がつながって、蛇の胴が頂上から下へ這い降りるように見える。その先は階段の下の蛇の頭につながる。
この光景を見ようと、毎年多くの人が集まる。ただし影はその日だけでなく前後数週間にわたって見られ、マヤの人々が意図して設計したのかどうかは、研究者の間でも意見が分かれている。
正体をめぐる諸説
- 壱
暦と天文の設計説
マヤの高度な天文の知識により、春分・秋分に蛇が現れるよう計算して建てられたとする説。
- 弐
偶然の産物説
影は段のある建物の形からたまたま生じたもので、意図された設計とは言い切れないとする見方。
- 参
宇宙の知識の伝授説
精密な暦や建築の知識は、空から来た存在がマヤに授けたとするオカルト的な説。
