▼世界最大の立石の群れ
カルナック一帯には3000本を超える立石があり、立石の集まりとしては世界最大とされる。主な列にはメネック、ケルマリオ、ケルレスカンがあり、ケルマリオの列は長さ約1.3キロに及ぶ。
石が立てられたのは新石器時代で、多くは紀元前3300年ごろ、古いものは紀元前4500年ごろにさかのぼる可能性があるとされる。文字のない時代の人々が、重い石を一本ずつ運んで立てたのである。
▼石になった兵士たち
地元には、石の列は追っ手の兵士たちだったという伝説がある。教皇コルネリウス(聖コルネリ)を追ってきた異教の兵士が、聖人の力で石に変えられたというのである。
ブルターニュには、魔法使いマーリンがローマの軍団を石に変えたという話も伝わる。まっすぐに並ぶ石の列は、隊列を組んだ兵士の姿に見えたのだろう。
▼世界遺産になった謎
石の列が何のためのものだったかには、祭りや儀式の道、暦や天体の観測、土地の境界など、さまざまな説がある。しかし決め手となる証拠は見つかっていない。
2025年7月、カルナックとモルビアン沿岸の巨石群はユネスコの世界遺産に登録された。ブルターニュで初めての世界遺産である。
正体をめぐる諸説
- 壱
儀式・祭祀の場説(有力)
共同体が集まり、祖先や神々を祀る儀式のために列を築いたとする見方。
- 弐
天文観測・暦説
石の並びが日の出や月の動きを測る目印になっていたとする説。
- 参
石にされた軍勢説
聖人やマーリンの力で兵士たちが石に変えられたとする、土地の伝説。
