▼フライト19──消えた編隊
1945年12月5日、フロリダ州フォートローダーデールの海軍航空基地から、TBMアベンジャー雷撃機5機の訓練編隊「フライト19」が飛び立った。乗員は14人。バハマ方面での訓練の途中、編隊長は方角が分からなくなったと無線で訴え、やがて交信は途絶えた。
同じ夜、捜索に向かったPBMマリナー飛行艇も13人を乗せたまま消息を絶った。大規模な捜索にもかかわらず、編隊の機体は見つからなかった。
▼「魔の三角」の誕生
この海域で起きた遭難を結びつける話は1950年代から語られていたが、「バミューダ・トライアングル」という名前を初めて使ったのは、作家ヴィンセント・ガディスが1964年に雑誌『アーゴシー』に書いた記事だとされる。1918年に300人あまりを乗せて消えた米海軍の給炭艦サイクロプスなども、その「犠牲」に数えられた。
1974年、チャールズ・バーリッツの著書『バミューダ・トライアングル』が世界的なベストセラーとなり、魔の海の伝説は決定的に広まった。
▼調べてみると「普通の海」
一方で、1975年に図書館司書ローレンス・クシュが出した本は、伝説の事件を一つずつ記録と照らし合わせ、嵐の日の遭難だったり、実際は別の海域で起きたりした例が多いことを示した。交通量の多い海域であることを考えると、事故の件数が特別に多いわけではないとする見方が一般的だ。
それでも、フライト19の機体はいまも見つかっていない。夜の海に消えた27人は、どこへ行ったのか。
正体をめぐる諸説
- 壱
気象・人為ミス説(有力)
急変しやすい天候、強いメキシコ湾流、航法の誤りや燃料切れで説明できるとする見方。フライト19も方角を誤り燃料が尽きたと考えられている。
- 弐
メタンガス噴出説
海底のメタンハイドレートからガスが噴き出し、船の浮力を奪うとする説。実際の遭難との結びつきは確かめられていない。
- 参
異次元・超文明説
時空のゆがみや、海底に沈んだアトランティスの遺物が船や飛行機を消し去るとするオカルト的な説。
